前歯をインプラントにするメリット、デメリットや費用などを解説

こんにちは。横浜市神奈川区「横浜駅」きた西口より徒歩5分にある歯医者「横浜駅きた西口歯科」です。

前歯をインプラントにするメリット、デメリットについて説明する歯科医師

失った前歯を補う治療法のひとつにインプラント治療が挙げられます。インプラントは、審美性と機能性を兼ね備えた治療法で昨今、選択される方が増えているのが現状です。

本記事では、前歯をインプラントにするメリットやデメリット、さらに治療にかかる費用や注意点について解説します。前歯をインプラントにしたいとお考えの方は、ぜひ参考にしてください。

インプラントとは

インプラントとはどんな治療法か説明する歯科医師と説明を聞く患者

インプラントとは、何らかの理由で失った歯を補う治療法のひとつです。人工歯根をあごの骨に埋め込み、その上に人工の歯を装着して審美性と機能性を回復させます。

特に前歯の場合、高い審美性が求められるため自然な見た目と機能性を両立できる方法としてインプラントを検討される方も少なくありません。

インプラントは、インプラント体・アバットメント・上部構造の3つの部品で成り立っています。インプラント体は、歯の根っこ部分に当たる部分です。チタンなど生体親和性の高い素材で作られており、あごの骨に埋め込み骨と結合することで固定されます。

アバットメントはインプラント体と上部構造を連結するパーツです。アバットメントの上に上部構造の人工歯を取り付けます。

インプラントはブリッジと異なり、隣接する健康な歯を削る必要がありません。また、骨に直接固定するため安定性が高く、長期間使用できることも大きなメリットといえるでしょう。

インプラントは自然な噛み心地と見た目を再現できることから、昨今注目されている治療法のひとつです。

前歯をインプラントにするメリット

前歯をインプラントにするメリットのイメージ

インプラントにはさまざまなメリットがあります。以下に、前歯をインプラントにするメリットについて解説します。

見た目が自然で審美性が高い

インプラントは、周囲の歯を利用せず独立しているため、自然な仕上がりが期待できる治療法です。前歯のインプラント治療は、審美性を保ちたい方にとって大きなメリットといえるでしょう。

インプラントの人工歯にはセラミックが使用されるケースが多く、天然歯の持つ色味や透明感を再現することができます。隣接歯の形や色味に合わせて作製できるため、調和しやすく天然歯のような自然な見た目を手に入れることができるでしょう。

咀嚼や発音に支障がでにくい

前歯は見た目だけでなく、噛む力や発音においても重要な役割を果たしています。入れ歯の場合は、ズレて噛みにくさを感じることがあります。

一方、インプラントはあごの骨を支えとするため、天然歯に近い噛み心地を得られます。また、前歯を失うと発音に影響が出ることがあります。インプラントであれば天然歯と同じように使用できるため、滑舌が悪くなる心配も少ないでしょう。

周囲の健康な歯に負担をかけない

ブリッジ治療では、隣接の歯を大きく削る必要があるため、隣接歯に負担がかかるリスクがあります。

一方でインプラントはあごの骨を支えとするため、隣接する健康な歯を削る必要がありません。インプラントは周囲の歯に影響を与えず歯を補えるため、周囲の歯の健康も守りたいと考えている方にとって大きなメリットといえるでしょう。

あごの骨の吸収を防げる

歯を失うと、その部分のあごの骨が徐々に吸収されて痩せていきます。インプラントは、あごの骨に人工歯根を埋入するため適度な刺激が加わり、骨の吸収を抑える効果が期待できます。

あごの骨が痩せると、頬がこけて見えたり見た目に影響を及ぼしたりすることがあります。インプラントを選択すれば、骨の吸収を防ぐことができるため、審美性を保つことができるでしょう。

長く使用できる

インプラントは適切にケアを行い、定期的にメンテナンスを受けることで10年以上使うことが可能です。なかには20年以上トラブルなく使用できるケースも少なくありません。入れ歯やブリッジと比べても耐久性が高く、治療後の再修復が少ない点もメリットといえるでしょう。

前歯をインプラントにするデメリット

前歯をインプラントにするデメリットのイメージ

前歯のインプラント治療は、見た目や機能の回復に優れた選択肢だといえます。

しかし、前歯のインプラントにはメリットだけでなくデメリットも存在します。治療を検討する際には、デメリットや注意点を正しく理解したうえで選択することが大切です。以下に、前歯をインプラントにするデメリットについて解説します。

費用が高額

インプラント治療は、保険適用外の自由診療になります。保険が適用されるブリッジや入れ歯と比較して費用が高額になる点は大きなデメリットといえるでしょう。

前歯の場合は、審美性が求められます。そのため、使用する素材にこだわる必要があり、治療費がさらに高くなることも少なくありません。また、骨の量が足りない場合は骨を増やす治療が必要になるためさらに費用がかかるでしょう。

治療期間が長い

インプラント治療は、あごの骨にインプラント体を埋め込んで支えとします。インプラント体とあごの骨が結合するまでには、数か月かかることが一般的です。この期間中は治療を進めることができないため、仮歯で過ごす必要があるでしょう。

そのため、入れ歯やブリッジと比較して治療が終了するまで時間がかかります。

外科手術が必要

インプラント治療は、あごの骨にインプラント体を埋め込む外科手術が必要になります。手術に伴う痛みや腫れ、感染症のリスクはゼロではありません。手術に不安がある方にとってはデメリットといえるでしょう。

また、全身疾患がある方や骨の量が足りない場合はインプラント治療が受けられない可能性もあるため注意が必要です。

あごの骨の量が必要

インプラント治療において人工歯根を埋め込むためには、あごの骨に十分な厚みと高さが必要です。そのため、骨が十分にない場合や歯周病などで歯茎の健康が損なわれている場合、手術が難しくなることがあるでしょう。

前歯は、奥歯と比較して骨が薄いケースが多いため治療が難しい部分になります。骨を増やす骨造成や歯茎の治療をおこなうことで適応となるケースもありますが、治療完了までに費用や期間がかかるでしょう。

歯科医師の技術と経験が必要

前歯のあごの骨は薄いです。インプラント体を適切な位置や角度に埋め込むためには高い技術力が求められます。

不適切な治療をおこなうと、見た目が不自然になったり噛み合わせに問題が生じたりするリスクが高まるでしょう。前歯のインプラント治療は、歯科医師の高度な技術が必要になり、その分費用も高額になる場合があります。

前歯のインプラント治療にかかる期間

前歯のインプラント治療にかかる期間のイメージ

前歯のインプラント治療は6〜12か月ほどの期間がかかるケースが一般的です。インプラント治療は、いくつかの段階を経て進められます。各段階で一定の時間が必要なため全体の治療期間は長くなるでしょう。また、口内の状態や治療内容によっても治療期間は異なります。

以下に、治療の流れとそれぞれにかかる期間の目安を解説します。

カウンセリングと治療計画の策定

現在の口の中の状態を詳しく調べると同時に、インプラント治療に対する疑問点や不安に感じていることなどをヒアリングします。

レントゲンやCTの画像などをもとにインプラント治療の適応となるかを診断し、治療計画を策定します。策定した治療計画と費用などを説明し、患者さんに同意をいただけたら治療を開始します。ここまでにかかる期間は、約1〜2週間です。

一次オペ

インプラント体をあごの骨に埋め込む手術をおこないます。手術自体は1時間程度で終了することが多いですが、インプラントの本数や口内・全身の状態によってはさらに時間がかかる場合もあるでしょう。

あごの骨との結合期間

インプラント体があごの骨と結合するまでには3〜6か月ほどの期間が必要です。結合が不十分だとインプラントが安定せず、治療の成功率が下がる可能性があります。

前歯の場合、審美性を考慮して仮歯を装着することが多いでしょう。結合を待つ期間中も審美性を保つことができます。

二次オペ

インプラント体とあごの骨が結合したら、再度歯茎を切開して、インプラント体にアバットメントを取り付けます。アバットメントは、インプラント体と人工歯をつなぐ部品です。アバットメントを取り付けたら、歯茎の形が整うまで約1〜2週間待ちます。

人工歯の装着

型取りをして、人工歯を作製します。型取りをしてから人工歯が完成するまでにかかる期間は、約2〜4週間です。人工歯が完成したら、噛み合わせなどの調整をおこない、問題なければ装着します。

前歯のインプラント治療にかかる費用

前歯のインプラント治療にかかる費用のイメージ

前歯は高い審美性が求められるため、人工歯部分にセラミックなどの高品質な素材を選択するケースが多いです。また、歯科医師の技術力も必要なため費用が高額になる傾向があります。インプラント1本あたりの費用相場は30万〜50万円ほどになるでしょう。

ただし、あごの骨が足りないケースでは追加の処置が必要になる場合もあります。追加の処置をおこなう場合は、さらに費用がかかるため注意が必要です。

前歯をインプラントにする際の注意点

指さし確認をする歯科医師

前歯をインプラントにする際は、審美性と機能性を両立させるために注意すべきポイントがあります。

前歯は高い審美性が求められる部分のため、治療には高度な技術と経験が必要です。そのため、治療を任せる歯科医師を選ぶ際は、治療実績や症例写真を確認し、信頼性を確かめることが大切です。

また、歯周病がある場合はインプラントが安定しないリスクが高まるため歯周病治療が優先されます。

前歯のインプラントは審美性を重視するため、仮歯の調整などの工程が増え、奥歯と比較して期間を要するケースが多いです。そのため、治療にかかる期間や工程を事前に歯科医師に確認することが大切です。

他の前歯治療との違い

他の前歯治療であるブリッジのイメージ

前歯を失った場合の治療法にはインプラント以外にも入れ歯とブリッジという選択肢があります。ここでは、それぞれの違いを費用や治療期間を含めて比較していきます。

<入れ歯・ブリッジ・インプラントの治療期間と費用目安>

種類	費用	治療期間
入れ歯	・保険診療：5,000円〜1万5,000円程度・自由診療：15万〜90万円程度	・保険診療：2週間〜1か月程度・自由診療：2〜3か月程度
ブリッジ	・保険診療：2万〜3万円程度・自由診療：25万〜40万円程度	1〜2か月程度
インプラント	1本あたり30万〜50万円程度	6〜12か月程度