歯周病の外科治療とは?必要となるケースや流れ、費用と期間の紹介

こんにちは。横浜市神奈川区「横浜駅」きた西口より徒歩5分にある歯医者「横浜駅きた西口歯科」です。

歯周病の進行が気になっている男性のイメージ

歯周病治療では、中程度から重度の症例で、外科治療を行うことがあります。外科治療は、外科という言葉のとおり手術による治療のことを指します。

手術と聞くと、多くの人が「どんなことを行うのか」と不安を感じるでしょう。

今回は、歯周外科治療について解説します。必要となるケースや流れ、費用や期間などを紹介していきます。

歯周病の外科治療とは

歯周病の外科治療のイメージ

歯周外科治療は、歯周病が進行し、歯周基本治療による歯石やプラークの除去では状態が改善しない場合に行われる外科処置のことを指します。歯周外科治療は、大きく分けてフラップ手術と歯周組織再生療法があります。

フラップ手術

フラップ手術は別名、歯肉剥離掻爬術とも呼ばれます。歯周ポケットが深く、歯石などの炎症の起因物質を完全に取りきれない場合に、歯ぐきを切開して直接歯石や感染組織を取り除く方法です。

確実に歯石除去や病変部を除去することで、歯周ポケットを改善させ、清掃しやすい状態を作ります。

歯周組織再生療法

歯周組織再生療法は、歯周病によって失われた歯槽骨や歯根膜といった歯周組織を再生させる治療法です。現在日本では、厚生労働省の認可を受けた歯周組織再生材料には、エムドゲインとリグロスがあります。

歯周病の外科治療が必要となるケース

歯周病の外科治療が必要となるケースについて説明する歯科医師

歯周外科治療は、歯周基本治療による歯石やプラークの除去を行っても、状態が改善しない場合に行われる外科の処置です。

フラップ手術が必要なケース

フラップ手術は、歯周基本治療を行っても歯周ポケットが改善しないケースや、歯周ポケット内の歯根面に器具が到達しないケースなどで検討されます。骨の欠損が広範囲に及ぶ場合にも実施することがあります。

歯周病治療では、まず歯周基本治療が行われます。歯周基本治療では、歯垢や歯石の除去、歯根面の滑沢化、グラグラする歯の噛み合わせの調整を行います。これらの治療を行っても改善しない場合、フラップ手術で改善を目指します。

歯根の形態や歯周ポケットの状況によっては、器具が十分に届かないことがありますが、フラップ手術では確実に病変部に器具が届きます。

歯周組織再生療法が必要なケース

歯周組織再生療法は、歯を支えている骨の一部分が垂直的に失われている場合や、狭く深い歯周ポケットがある場合に検討されます。広く広範囲にわたって顎の骨が吸収されている場合には、骨を再生するのが難しいでしょう。

適応できる症例が限られているため、レントゲンや歯周検査の結果を考慮しながら、治療法を選択します。

歯周病の外科治療の流れ

歯周病の外科治療の流れとして歯石除去する歯科衛生士

歯周外科治療の流れをそれぞれの手術ごとに解説します。

フラップ手術の流れ

フラップ手術の流れは、次のとおりです。

局所麻酔をする

手術部位に麻酔をします。表面にクリームの麻酔を塗ってから、注射の麻酔を行うことが多いです。局所麻酔がしっかり効けば、術中に痛みを感じることはありません。

麻酔が効きにくい体質などもありますので、麻酔が効いていない気がするなど、不安な点があれば必ず伝えるようにしましょう。

歯肉を切開・剥離する

歯肉を切開し、切開した部分の歯肉を部分的に剥離します。歯周ポケット内を目視できるようになります。

感染組織や歯石を取り除く

感染している組織や、歯根表面に付着している歯石を除去します。歯根面を滑沢にし、汚れが溜まりにくいようにします。

歯槽骨の形態を整える

必要に応じて、炎症により破壊された歯槽骨の形態を整えます。

縫合・歯肉パック

剥離した歯肉を元にもどし、切開した部分を縫合します。傷口を特殊なパックで覆って保護する場合もあります。1週間ほど経過したら抜糸をします。

歯周組織再生療法の流れ

局所麻酔をして歯肉を切開し、歯根面の歯石や感染組織を取り除くところまでは、フラップ手術と同様です。その後は、次のように進めます。

歯周組織再生材の塗布

骨が減少した部分にリグロス、またはエムドゲインを塗布します。

縫合

切開した歯肉を縫合します。1週間ほど経過したら、抜糸します。

経過観察

歯周組織が再生するのには、数ヶ月から1年程度の期間を要します。術後は定期検診をしながら経過をみていきます。

歯周病の外科治療の費用と期間

歯周病の外科治療の期間イメージ

歯周外科治療にかかる費用は、歯の本数や歯周病の状態によって変動します。フラップ手術も歯周組織再生療法のいずれも、日帰りで終わる手術で施術時間は1〜2時間程度です。

術後はしばらく経過をみていく必要があります。

フラップ手術の費用と期間

フラップ手術には保険が適用されます。3割負担の場合で、2,500円程度になります。手術自体にかかる費用のほか、術前に歯周検査や必要に応じてレントゲン撮影を行うので、術前の受診でも2,000円〜3,000円かかります。

手術は日帰り1〜2時間程度です。1週間後に抜糸になりますが、1ヶ月程度歯茎の経過をみていくのが良いでしょう。

歯周組織再生療法の費用と期間

歯周組織再生療法は、リグロスを使用する場合は保険が適用されますが、エムドゲインは保険が適用されません。

リグロスの場合、3割負担で7,000円〜9,000円程度です。エムドゲインは自費治療で7万円〜11万円程度になります。骨の欠損範囲によって金額が異なります。

リグロスを使用する場合でも、同時に骨補填材を使用する場合など、術式によっては保険適用外になることがあります。自費診療の場合の費用は歯科医院によって異なるので、確認するようにしましょう。

手術は日帰り1〜2時間程度、1週間後に抜糸しますが、傷口が塞がっても歯周組織が再生するまでにはしばらく時間がかかります。数ヶ月〜1年程度、経過をみながら歯周組織が再生するのを待つ必要があります。

歯周病の外科治療のメリットとデメリット

歯周病の外科治療のメリットとデメリットのイメージ

どのような治療でも同様ですが、歯周外科治療にもメリットとデメリットがあります。フラップ手術と歯周組織再生療法の両方について、解説していきます。

フラップ手術のメリットとデメリット

デメリットもあらかじめ知った上で、治療の選択をするようにしましょう。

フラップ手術のメリット

フラップ手術のメリットは、以下のとおりです。

  • 歯石や感染組織を確実に取り除ける
  • セルフケアがしやすくなる

基本治療では除去できなかった歯石や感染組織を確実に取り除くことが可能です。ほとんど取り残すことがないため、術後の回復が見込めます。

歯周ポケットが改善して浅くなるため、セルフケアがしやすくなることもメリットでしょう。歯周病が進行しにくい状態を維持しやすくなります。

フラップ手術のデメリット

フラップ手術のデメリットは、以下のとおりです。

  • 術後に歯茎の位置が下がる
  • 知覚過敏が起きることがある
  • 術後に痛みや腫れが起きることがある

歯茎の位置が下がるので、歯が伸びたように感じることがあります。歯根面が露出するので、知覚過敏が起きる可能性もあるでしょう。

また、フラップ手術は歯茎を切開する外科手術のため、術後麻酔が切れた後に痛むことがあるほか、腫れが生じるケースも多いです。痛みや腫れがある場合でも、2〜3日で改善するのが一般的です。鎮痛剤を飲むなどして対処しましょう。

歯周組織再生療法のメリットとデメリット

歯周組織再生療法は優れた治療法ですが、メリットとデメリットの療法が存在します。両方を知った上で治療の選択をするようにしましょう。

歯周組織再生療法のメリット

失われた歯周組織が再生することで、歯周ポケットが改善し、歯周病が再発しにくい環境にすることができます。歯の機能と見た目の改善も期待できます。

歯周組織再生療法のデメリット

歯周組織再生療法は、治療法によっては保険が適用されません。自費治療になるため高額になります。

また、適応できるケースが限られています。広範囲に渡って骨を失っているケースには適応できません。治療後1年近く経過をみる必要があり、すぐに効果を実感できるものではないことも知っておくべきでしょう。

まとめ

歯周病の外科治療で美味しく食事が楽しめるようになった女性

歯周外科治療は、歯周基本治療を行っても歯周病が改善しないケースに有効な治療法です。外科手術なので、全身疾患がある場合は行えないことがあります。必ずメリットとデメリットを知った上で、歯科医師と相談の上、治療をするか決めていきましょう。

歯周病の外科治療を検討されている方は、横浜市神奈川区「横浜駅」きた西口より徒歩5分にある歯医者「横浜駅きた西口歯科」にお気軽にご相談ください。

当院では、予防歯科や虫歯・歯周病治療、根管治療やインプラント治療などさまざまな診療を行っています。ホームページはこちらWeb予約もお受けしておりますので、ぜひご覧ください。

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