こんにちは。横浜市神奈川区「横浜駅」きた西口より徒歩5分にある歯医者「横浜駅きた西口歯科」です。
根管治療は、虫歯などによって歯の神経にまでダメージが及んだ場合に行われる治療のことです。根管治療は基本的に1回の治療で完了するものではなく、治療期間が長いため仮蓋を使用します。
仮蓋は治療を再開するときには取り外しますが、それ以外にも食事や歯磨きなどによって外れるケースがあるため注意が必要です。
今回は、根管治療中の仮蓋の役割や、取れたときの対処法などについて解説します。
根管治療中の仮蓋の役割
虫歯が歯の根元にまで及ぶと、歯の神経である歯髄がダメージを受けます。歯の神経がダメージを受けるほど虫歯が進行した場合、激しい痛みを感じるようになるでしょう。
深くまで進行した虫歯を治療するためには、虫歯菌に汚染された神経をすべて取り除き、根管内を丁寧に洗浄・消毒する必要があります。この一連の治療のことを、根管治療といいます。
根管治療は基本的に一度の処置で完了するものではなく、2~5回程度通院するのが一般的です。そのため、根管治療を継続している間は、治療部位への細菌の侵入を防ぐために、仮蓋を使用します。
なお、治療する歯の位置によっては、審美性や機能性を重視して仮蓋ではなく仮歯を使うケースもあります。
仮蓋に使用される素材
根管治療中の仮蓋に使用される素材は複数ありますが、大きく3つの種類に分けられます。ここでは、レジン・セメント・天然ゴムの3種類について解説します。
レジン
レジン製の仮蓋の中には、デュラシールとP.Tシールの2種類があります。レジンを材料とする仮蓋は、素早く硬化できるのが特徴です。
デュラシール
デュラシールは粉末と水を混ぜ合わせてペースト状にし、治療部位にのせる素材です。硬化時間は30分程度です。
P.Tシール
P.Tシールはシリンジに入ったタイプの素材です。シリンジから直接歯に塗布し、光照射器で特殊な光を当て、約20秒で完全に硬化します。
主に詰め物の歯型を取る際に使用される素材のひとつです。
セメント
仮蓋に使用されるセメント素材には、ケタック・キャビトン・ユージマーの3種類が存在します。
ケタック
ケタックは、水と粉末を混ぜてペースト状にして治療部位に乗せて使用します。根管治療に使用されるのが一般的で、硬化完了までの時間は30分程度です。
キャビトン
キャビトンは水硬性のセメントで、水分と混ざると硬化します。ペースト状のキャビトンを歯に直接乗せれば、口腔内の水分と反応して硬化が完了します。
キャビトンは、根管治療や歯型を取る際なども幅広く使用される素材です。
ユージマー
ユージマーは、粉末と専用の液体を混ぜ合わせてペースト状にして使用する素材です。被せ物の土台の型を取ったあとに使用されます。
天然ゴム
天然ゴム製の仮蓋の種類には、ストッピングと呼ばれるものがあります。ストッピングはスティック状になったゴムを専用の器具に押し込み、火で加熱して使用します。
加熱することにより器具の先端から液状になったゴムが出てくるので、液状のゴムを治療部位に塗布します。塗布した後は、ゴムの熱が冷めることで自然に硬化します。
仮蓋が取れることはある?
仮蓋に使用されている素材はいずれも硬化しますが、瞬間的に強い負荷や刺激が加わった場合は、一部がかけたり全て外れたりするケースも考えられるでしょう。
仮蓋が取れる原因
根管治療中に仮蓋が取れるのには、いくつかの原因が挙げられます。ここでは、仮蓋が取れる主な原因について確認しましょう。
普段の食事によるもの
仮蓋は、基本的に日常生活で破損するものではありませんが、普段の食事の刺激によって欠けたり割れたりすることがあります。普段通りに食事をしても良いと聞くと、仮蓋の部分で噛んでも問題ないと誤解する方もいるでしょう。
しかし、根管治療中に使用する仮蓋は、もともと食事をすることを想定して作られていません。そのため、仮蓋の部分で食べ物を噛むと、仮蓋が欠けたり割れたりする可能性があるため注意が必要です。
普段通りに食事をしても構いませんが、仮蓋の部分で食べ物を噛むのは避けるようにしてください。
硬いものや粘着性の高い食べ物によるもの
根管治療中は仮蓋で食べ物を噛まないことはもちろん、硬い食べ物、ガムやキャラメルなどの粘着性の高い食べ物にも注意が必要です。
硬い食べ物は仮蓋に強い負荷がかかり、欠けたり割れたりしやすくなります。ガムやキャラメルなどの粘着性の高いお菓子は、仮蓋がくっついて外れるリスクが高くなるでしょう。
舌癖によるもの
歯科治療で被せ物をしたときに、気になって舌で触れたくなる方は多いかもしれません。
しかし、日常的に舌で触れる癖があると仮蓋が外れやすくなります。特に、根管治療中に仮蓋を装着してから時間があまり経過していないうちは、仮蓋が完全に硬化していないため外れやすいので注意しましょう。
歯磨きによるもの
仮蓋は、歯の上にペーストなどを乗せて硬化させたものですので、段差が生じることがあります。段差に食べカスが引っかかりやすくなることもあるでしょう。
食べかすを取ろうと力を入れて強く歯磨きをすると、仮蓋が外れることがあります。根管治療に使用する仮蓋は、基本的に1週間程度で外すため軽く優しく磨く程度で問題ありません。
歯ぎしりや食いしばりによるもの
ここまで解説した原因以外にも、歯ぎしりや食いしばりによって仮蓋が破損したり外れたりすることがあります。日常的に歯ぎしりや食いしばりの習慣がある方は、仮蓋に大きな負荷がかかりやすいため、鏡で仮蓋の状態を確認するようにしましょう。
仮蓋が取れるリスクは?
仮蓋の一部がかけても痛みや違和感を覚えないことが多いですが、欠けたまま放っておくと破損が広がりやすいため注意が必要です。
また、根管治療中に仮蓋が外れた場合、根管治療で洗浄・消毒した歯の根っこ部分に細菌が侵入しやすくなります。その結果、虫歯が再発するリスクが高まるでしょう。
根管部分に感染がみられた場合、根管治療をやり直す必要があります。治療回数増えたり治療期間が延びたりすることも考えられます。
患者さま自身の負担も大きくなるため、仮蓋が取れた場合にはすみやかに対処することが重要です。
仮蓋が取れたときの対処法
では、根管治療中に仮蓋が外れた場合には、どのように対処すればよいのでしょうか。ここでは、3つの対処法について解説します。
状況に応じて様子を見る
仮蓋の一部が欠けた程度であれば、次の受診日まで様子をみてもかまいません。
ただし、仮蓋の一部が欠けたり割れたりした場合、破損が広がりやすい状態になるため注意が必要です。根管治療中に一部が欠けた場合には、仮蓋の部分で食べ物を噛んだり強く歯みがきをしたりしないように気をつけましょう。
また、一部が欠けたことで違和感が生じるかもしれませんが、何度も舌で触れることがないように意識することも大切です。定期的に鏡でチェックして、仮蓋のダメージが大きくなるようであれば、受診することも検討しましょう。
外れた仮歯は保管する
先にも述べましたが、根管治療中に仮蓋ではなく、仮歯を装着することもあります。もしも仮歯が外れた場合には、必ず保管するようにしてください。仮歯が割れていても、修復して再利用できることがあります。
仮歯の場合、作り直すために時間や費用がかかります。なお、仮蓋が欠けたり割れたりした場合であれば、保管する必要はありません。
歯科医院を受診する
仮蓋を装着している期間中に、仮蓋の大部分が欠けたり外れたりした場合には、すみやかに歯科医院を受診することが重要です。根管治療中に仮蓋がはずれたままの状態で放置していると、根管部分に細菌が繁殖するリスクが高まります。
根管治療の段階によって、根管部に神経が残っている場合と空の場合がありますが、いずれにしてもそのまま放置するとよくありません。根管治療が一からやり直しになれば患者さま自身の負担も増えるため、できるだけ早めに歯科医院を受診するようにしましょう。
まとめ
根管治療は、虫歯によって深くまでダメージを受けた歯を残すための最後の治療ともいわれています。根管治療を完了させるためには複数回歯科医院を受診する必要があるため、この過程で仮蓋が重要な役割を果たします。
仮蓋はあくまでも治療中の細菌感染を防ぐための一時的な処置ですので、食べ物を直接噛んだり硬い物を噛んだりしないように気を付けましょう。
一部の欠けや割れ程度であれば問題ありませんが、仮蓋の大部分が欠けたり完全に外れたりした場合には、すみやかに歯科医院を受診することが大切です。
根管治療を検討されている方は、横浜市神奈川区「横浜駅」きた西口より徒歩5分にある歯医者「横浜駅きた西口歯科」にお気軽にご相談ください。
当院では、予防歯科や虫歯・歯周病治療、根管治療やインプラント治療などさまざまな診療を行っています。ホームページはこちら、Web予約もお受けしておりますので、ぜひご覧ください。