根管治療で治らないケースはある?抜歯の必要性も解説!

こんにちは。横浜市神奈川区「横浜駅」きた西口より徒歩5分にある歯医者「横浜駅きた西口歯科」です。

歯髄まで確認できるレントゲン写真

「根管治療で治らずに抜歯しなければならないケースってあるの?」「そもそも根管治療とはどんなものなの?」と疑問を持っている患者さまもいるでしょう。

今回は、根管治療について詳しく解説します。根管治療で治らない場合に抜歯が必要かどうかも伝えますので、ぜひご覧ください。

根管治療とは?

歯髄が見える模型

根管治療(こんかんちりょう)とは、歯の根っこのなかにある歯髄(血管や神経)を取り除いて、根管のなかを洗浄してキレイにし消毒していく治療です。

根管治療の目的は、痛みや腫れなどを改善して歯を残すことです。根管治療をおこなうということは、歯の神経が死んでいる、もしくは大きなダメージを受けており残せない状態です。

歯の神経が死んだ状態で放置すると、歯ぐきやその周辺に痛みが生じるでしょう。さらにそのまま放置すると抜歯が必要になります。

抜歯を避けて、患者さまご自身の歯を残すために根管治療を行います。

根管治療は、虫歯が歯の深くまで進行した場合や、スポーツなどで口元に強い衝撃を受けた場合、歯周病が進行した場合に行うことが多いです。また、過去に根管治療をおこなった歯が再び感染して痛みや膿が出始めた時も、根管治療を実施します。

根管治療は複数回の通院が必要

保険診療で行う根管治療は、基本的に1回30分程度が多いため複数回通院する必要があります。一度の根管治療では、しっかりと汚れや神経が取り切れないからです。

保険診療の根管治療の場合、根管の状態によりますが3〜5回ほど通院が必要になるでしょう。通院回数が少ないとは言えませんが、途中で治療をやめると再び細菌が増殖して症状が悪化するため、治療が完了するまで通う必要があります。

ただし、自費診療の根管治療も存在します。自費診療なら、治療時間や使用する機器、道具などに制限がありません。通院回数を減らせるように、1回60~90分程度の長い時間をかけて丁寧に細かく根管治療を進めることも可能です。

根管治療で治らないケースはある?

根管治療で治らないケースについて考える人

結論から申し上げますと、根管治療で治らないケースはあります。根管治療で治らないケースは以下のとおりです。

歯の根っこにヒビが入っている

歯の根っこにヒビが入っていると、いくら根管治療をおこなってもヒビが入っている部分から細菌が侵入し続けることになります。歯のヒビはあきらかに肉眼で確認できるものだけではなく、マイクロスコープで見ないとわからないほど小さなものもあります。

視認できないほど小さなヒビでも、細菌にとっては大きな侵入経路です。そのため、歯の根っこにヒビがあると根管治療で治らない可能性があるでしょう。

神経や細菌を取り除くことが難しい

歯の根は、さまざまな方向へ枝分かれしていることが多いです。根管治療をおこなっても、さまざまな方向へ枝分かれしている根管の奥へ細菌が入っていると、うまく除去できない可能性があります。

根管が大きく曲がっている場合は、根管の奥まで消毒・殺菌ができずに細菌が残ることもあるでしょう。さまざまな方向へ枝分かれしたり、大きく曲がっている根管のケースでは、根管の細菌を取り除くことが難しく、根管治療をしても症状が改善されないかもしれません。

細菌が残った場合、その影響で痛みや腫れが起きるでしょう。

歯の根の外まで細菌感染が広がっている

歯の根っこだけではなく、根っこの外側にまで細菌感染が広がっていると、根管治療のみでは完治しません。これを根尖孔外感染といいます。

また、根管のなかの細菌が原因となり、根っこの先で形成された嚢胞を歯根嚢胞といいます。根の先に袋が形成され、その中に膿が溜まった状態です。

どちらの症状も、根管治療をおこなっても症状が改善されることが少ないです。こういったケースでは、外科手術を行う必要があります。

歯の根っこの周辺の細菌に感染した部分や嚢胞を除去します。切った根っこの先端部分は、専用のセメントで封をして歯を残す治療です。

根管治療で治らない場合は抜歯が必要?

抜歯した歯

根管治療で治らない場合には、抜歯が必要となるケースもあります。

しかし、根管治療で治らない場合は必ず抜歯をしなければならないというわけではありません。永久歯は一度抜いたら二度と生えてこないので、できる限り抜歯を避けたい患者さまも多いでしょう。歯科医師も、可能であれば患者さまの歯を残せるよう治療します。

抜歯をしない治療法は、以下のとおりです。

歯根端切除術をおこなう

歯根端切除術とは、根管治療をおこなっても症状が改善されないときにおこなう外科的処置です。歯のすべてを取り除く抜歯と違って、歯根端切除術は歯の根っこの先端部分を取り除く処置です。

炎症を起こしている部分を切除し、腫れや痛み、排膿などの症状を落ち着かせます。歯ぐきを切り開いて根っこの先に直接アプローチするので、抜歯を避けて治療を進めることができるのです。

外科的処置なので抵抗がある方もいるかもしれませんが、有効なケースであれば抜歯をおこなわずに歯を残せますので、歯科医師とよく相談して治療を進めてください。

意図的再植術をおこなう

再植術は事故などで歯が抜けたときにおこなわれる処置です。意図的再植術(いとてきさいしょくじゅつ)は、文字どおり意図的に歯を抜いて、再び元の場所に戻すという治療法です。専用の薬剤を詰めて歯をもとの位置に戻し、骨の再生・治癒を待って回復を図ります。

歯の根っこの先端に細菌が残っていて、そのままの状態では根管の形などの影響でキレイに取り除くことが難しいケースでおこなわれます。一度歯を抜いてから細菌に感染している箇所を除去し、消毒などを行って綺麗にしてから、元あった位置に戻して定着させます。

意図的再植術は、抜歯をおこなった歯を治療してまた元に戻すため、非常に高度な技術を必要とする処置です。また、意図的再植術はどんなケースにも適応可能なわけではありません。

歯を抜かずになるべく残して大切に使いたいという患者さまは、歯科医師とよく相談して適応可能かどうか確認しましょう。

まとめ

根管治療について説明している歯科医師

根管治療で治らないケースは、残念ながら存在します。

ただし、根管治療で治らないからといって、必ずしも抜歯しなければならないというわけではありません。根管治療だけでは治療が難しいときには、歯根端切除術を選択できる場合があります。

歯根端切除術は、歯ぐきを切り開いて歯の根っこの先端に直接アプローチし、症状を改善する治療方法です。

また、意図的再植術という方法もあります。名前の通り意図的に抜歯をおこなって、歯の根っこの先端に残っている汚れや神経をしっかり取り除いてから、再び元の位置に戻して骨の再生を待ち、歯を残す治療法です。

このように、根管治療ができないときにも歯を残す治療方法はあります。どんなケースにも適応できるわけではないことが注意点として挙げられるでしょう。

患者さまの口内・歯の状態ではどんな治療法を選択できるのか、また抜歯を避けることが可能なのかどうかなど、詳しくは担当の歯科医師へ相談してみてください。

根管治療を検討されている方は、横浜市神奈川区「横浜駅」きた西口より徒歩5分にある歯医者「横浜駅きた西口歯科」にお気軽にご相談ください。

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