こんにちは。横浜市神奈川区「横浜駅」きた西口より徒歩5分にある歯医者「横浜駅きた西口歯科」です。
根管治療中や根管治療後に「口の中から薬剤の臭いがする」「玉ねぎが腐ったような臭いを感じる」と思う方はいませんか。「なぜ臭いの?」「臭いのを放置していても大丈夫?」と心配になるでしょう。
臭いと感じる場合は、放置せずに歯科医院で状態を確認してもらう必要があります。
本項目では、根管治療中・治療後に臭いがするときに考えられる理由や、放置するリスク、対処法についてまとめました。根管治療中の方や過去に根管治療を受けた方は、ぜひ最後までお読みください。
根管治療とは?
根管治療とは、根管(歯髄が入っている歯の管)から、細菌に感染した歯髄や細菌、以前の治療で詰めている薬剤などを除去し、消毒する治療です。虫歯が歯髄に達すると、炎症が起きて歯髄炎に進行し痛みも伴います。
また、以前に治療した歯根に細菌が残っていると、細菌が繁殖して炎症の原因になります。そのため、根管治療で細菌を取り除く必要があるのです。
根管治療の流れ
根管治療の流れは、下記のとおりです。
- レントゲンを撮影する
- 歯髄や細菌をかき出す
- 根管に薬剤を入れて消毒・殺菌する
- 薬剤を詰める
- 土台を立てて被せ物を装着する
- 定期通院
まずはレントゲンを撮影し、虫歯の進行度、歯髄や歯尖(歯根の先)が炎症を起こしているかなどを確認します。
根管はとても細く、複雑な形をしています。人によって長さや形が異なるので、レントゲンや精密器具を使って丁寧に治療を進めなければなりません。
根管治療が必要な場合は、ファイルという針のような器具を使って歯髄や細菌を除去します。再根管治療の場合は、詰めている薬剤を丁寧に取り除きます。
その後、根管内の細菌を完全に除去するために、根管内を消毒します。薬で根管中の細菌を殺菌するために、仮蓋をして1週間ほどおきます。1週間に一度のペースで消毒するので、トータルで1か月〜1か月半ほどの期間がかかるでしょう。
根管内の消毒・殺菌が完了して専用の薬剤を詰めたら、土台を立てて被せ物を装着します。人工歯を装着すれば治療は完了ですが、治療後は定期的に通院して状態を確認してもらう必要があります。
根管治療をしないとどうなる?
根管治療をしなければ、細菌が増えて症状が悪化します。歯根の先まで炎症が広がると、歯根の先に膿の袋ができることがあります。歯茎から膿が出たり、激しい痛みを感じたりする場合があります。
歯根嚢胞が大きくなると、骨や顎が溶けるため大変危険です。場所によっては、蓄膿症(ちくのうしょう)や副鼻腔炎(ふくびくうえん)を発症することも少なくありません。
根管治療中・治療後に臭いがするのはどうして?
まれではありますが、根管治療中や治療後に、薬剤の臭いや玉ねぎが腐ったような臭いがすることがあります。実際に臭いがすると「なぜ臭いがするの?」と不安になることでしょう。
臭いがする場合に考えられる原因は、下記の通りです。
仮蓋が取れて薬が漏れている
仮蓋が取れたり亀裂が入ったりして、薬が漏れている可能性が考えられます。根管治療に使う主な薬剤は、水酸化カルシウムを食塩水で溶いてペーストにしたもので無臭です。
しかし、ペリオドンやFCといった薬剤を使用する歯科医師もいます。これらはホルマリン系の薬剤で揮発性があります。仮蓋が取れたり亀裂が入ったりすると、ホルマリン系の薬が揮発して口腔内で臭いを感じるようになるのです。
仮蓋は取れやすいため、根管治療中はガムやチューイングキャンディーなどの粘着性のある食べ物を避けましょう。
また、根管治療で使用する仮蓋を使用できるのは2週間程度です。長期間仮蓋を入れたままにしていると、劣化して亀裂が入ったり欠けたりするリスクが高くなるでしょう。根管治療中は指示された日程で受診してください。
排膿している
根管治療をしてしばらく経った後で、玉ねぎの腐ったような臭いがする症例もあります。この場合、排膿している可能性が考えられるでしょう。
以前根管治療を受けたときに、根管に細菌が残っていた場合は根管の中で細菌が増殖します。増殖した細菌が根の先端へ広がると、歯根嚢胞(膿の袋)ができます。
膿が増えて歯根嚢胞が大きくなると、歯茎から膿が出て口臭の原因となるのです。
根管治療中・治療後の臭いは放置してはいけない?
根管治療中や治療後に臭いを感じた場合、すぐに歯科医院を受診しましょう。放置すると次のリスクがありますので、早めに対処してください。
歯周組織に悪影響を及ぼす
根管治療に使う薬の中には、非常に強いものもあります。例えばFCやペリオドンは歯周組織に悪影響を及ぼすため、揮発したままにしておくのは危険です。もちろん、臭いがする薬剤全てが悪影響を与える強い薬剤というわけではありません。
しかし、一般的に「どの薬が根管に入っているのか」「危険な薬なのか」などを区別できる方はいないでしょう。薬剤の臭いを感じる場合は、歯科医院で確認してもらったほうが良いと言えます。
根管の中に細菌が入る
仮蓋が外れたり亀裂が入ったりした状態を放置していると、口の中の細菌が根管の中に入ってきます。
根管治療は、根管の中の細菌を取り除くための治療です。根管に薬を入れて仮蓋で密閉します。仮蓋をすることで薬の効果を発揮させたり、外から細菌が侵入したりするのを防ぐのです。
密閉性がなくなると、細菌が根管内で増える可能性があるでしょう。治療が順調に進まない可能性もありますので、早めに歯科医院で適切な処置を受けてください。
抜歯のリスクが高くなる
歯茎から排膿している状態を放置していると抜歯のリスクが高くなります。排膿を放置していると、嚢胞がどんどん大きくなり周辺の骨が溶けていくからです。
「放置していたらそのうち治るだろう」と考えて適切な処置を受けずにいると、歯を残せなくなるかもしれません。
根管治療中・治療後に臭いがするときはどうする?
根管治療中や治療後に臭いがするときでも「次の診療日まで我慢しよう」と思うかもしれません。
しかし、気になる症状がある場合は、すぐに歯科医院へ連絡して指示を仰いでください。症状を確認して適切な処置をしてもらう必要があります。
仮蓋を新しくしてもらう
仮蓋が外れていたり、破損していたりしたことが原因で薬剤の臭いがする場合は、仮蓋を新しくします。上記でも触れましたが、仮蓋を使用できる期間は約2週間程度です。2週間以上、仮蓋を付けたままにしていると劣化します。
食事中に噛んで力が加わると、破損するリスクが高くなるでしょう。一般的に、根管治療を行っている間は1週間に一度のペースで消毒して薬剤を交換します。指定された間隔で受診しましょう。
再根管治療をする
以前根管治療をした歯から排膿している場合、再度根管治療をしなければなりません。以前根管治療をしたときに詰めた薬剤を取り出し、消毒して薬を詰め直します。
再度根管治療をして細菌を除去できれば、臭いがなくなる可能性が高いでしょう。上記の項目でも触れましたが、再根管治療をせずに排膿している状態を放置していると、抜歯のリスクが高くなります。
異常を感じる場合は、できるだけ早く歯科医院を受診してください。
まとめ
今回は、根管治療の内容や根管治療中・治療後の臭いについて解説しました。
根管治療とは、根管(歯髄が入っている管)を洗浄・消毒する治療です。細菌に感染した歯髄や根管内の細菌を取り除き、無菌状態になった歯管に薬剤を詰めて人工歯を装着します。
根管治療中や治療後に臭いを感じる場合、薬剤が漏れていたり排膿したりしていることが考えられるでしょう。
根管治療中は、根管に薬剤を入れて仮蓋をし、1週間ほどおきます。その過程で仮蓋が外れたり破損したりすると、根管の中に入っていた薬剤が揮発し臭いを発するのです。薬剤の種類によっては口に悪影響があり、口腔内の細菌が根管に入り込むリスクもあります。
また、排膿しているケースでは、以前の根管治療で取りきれなかった細菌が繁殖している可能性が考えられます。再根管治療をしなければ抜歯のリスクが高くなりますので、すぐに歯科医院を受診しましょう。
気になる症状があった場合は我慢せずに、歯科医院へ相談してください。
根管治療を検討されている方は、横浜市神奈川区「横浜駅」きた西口より徒歩5分にある歯医者「横浜駅きた西口歯科」にお気軽にご相談ください。