歯の神経を残す治療について
横浜駅きた西口歯科 院長の清水勇策です。
当院で行っている歯の神経を残す治療について実例を交えて記事を投稿したいと思います。
今回ご提示するのは他院で重度の虫歯治療のために神経を取る治療(抜髄)のご提案を受け、他の選択肢がないかセカンドオピニオンでいらっしゃったケースです。
術前診断の結果、前医の先生の診断通り虫歯が深く神経に到達しておりました。
患者さんの生活リズム、価値観によっては抜髄が適切になると思います。
カウンセリングの上、神経を残す処置をご希望されたため処置を行うこととなりました。
今回はVPT:Vital Pulp Therapyという方法を選択しました。
原則初日は検査、診断と治療方針のご提案、2回目の御来院で処置という流れになります。
術後は当日多少の違和感があったものの、以降は不快症状を伴うことなく過ごされたそうです。
処置後1ヶ月後に再度神経の状態を確認し、処置終了となりました。
お示しするレントゲン写真は処置前と術後1年の経過確認のものです。
歯の神経は壊死することなく経過し、歯の周囲にも炎症が認められないため経過良好と考えております。
そもそもなぜ神経を残す治療が開発されたのでしょうか。
抜髄によるデメリットは歯の強度が下がることにより破折リスクが高まることです。
特に歯根破折が生じた場合は抜歯せざるを得ないケースが少なくありません。
つまり神経を残すメリットは将来的な抜歯リスクを回避できることだと考えております。
また根管治療自体が難易度の高い処置であり、専門医であっても成功率100%はないということからも根管治療そのものを避けることができることは大きなメリットだと考えております。
これらの処置はマイクロスコープを用いて行い、保険適応外の薬剤を使用するため自由診療での処置となります。
ご費用に関して
本症例では
マイクロスコープを使用した精密う蝕除去22000円
VPT:Vital Pulp Therapy 33000円
自費CR(Direct Bonding)55000円
※全て税込表示です
上記の通りとなりました。
VPTのリスク、デメリットについては
①失敗する可能性があり、その際は強いお痛みを伴うこと
②経過とともにお痛みを伴うことなく神経が壊死する可能性があること
③VPTを行うつもりで処置をする予定で処置を開始しても既に神経が壊死しており、抜髄せざるを得ない可能性があることなどが挙げられます。
虫歯を取るために削った穴の大きさ、歯のどの部分がどのくらい残っているかに応じて
最終的にお勧めする補修方法が変わります。
そのため上記は参考費用となります。
予めご了承ください。
神経を残せないかとお悩みの方、何かお手伝いができるかもしれません。
横浜駅きた西口歯科
院長 清水勇策