コロナウィルスの感染拡大が取り沙汰される以前から歯科でも感染対策は大きな課題でした。
以前ハンドピーズの使い回し問題が話題になった頃からより機材が流通するようになりました。
特に大型機材が着目されることが多くClassB、ClassSといった言葉を目にすることも多いのではないでしょうか。
『このクラスごとに菌を倒せる量が異なる』
なんとなくそんな風に思ってしまいそうです。
しかし、これには誤解があります。
まず、このClass分類そのものについて触れてみます。
これはENという欧州の統一規格の一つEN13060の中での分類です。
身の回りやサービスの中にも、JISやISOなどの規格を見ることがありますが、これの欧州版です。
EN13060は小型蒸気滅菌機を対象とした蒸気滅菌法の規格で、歯科に特化したものではありません。
また、機材内部への蒸気到達率による分類であって細菌やウィルスを殺滅できる量そのものの差と単純に捉えてしまうと誤解があるようです。
ClassB、ClassS、ClassN は各々
B:Big、S:Specific、N:Naked の略になります
ClassNは文字通り未包装の状態で滅菌が可能とされています
ミラーやピンセットなど比較的シンプルな形状で中空構造でないものは滅菌できます。
また中空構造のバキュームチップやタービンなどの機材は構造が複雑であり蒸気が全体へ到達することが難しいとされています
複雑な構造物であっても高熱、高圧蒸気の到達率が最も高い機材に位置付けられているのがClassBで、私ども一般の歯科医院で扱う機器は構造上ほぼ全てのものが滅菌可能だと思われます。
次に蒸気到達率が高いのはClassSです。
横浜駅きた西口歯科ではハンドピースに特化し滅菌から潤滑油の注入まで自動で管理できる製品を導入しています。
滅菌だけを考えるとClassBを用いることで可能です。
しかし歯科用ハンドピースに対してClassSでも十分な蒸気の到達率であることと、自動注油が可能なため業務の効率化を図ることもでき、注油工程で人の手を介さないことで交差感染のリスクを下げられることにメリットがあるのではないかと考えています。
高価、最新の機材であれば大丈夫というのはやや誤解があるようです。
このように正しく理解をして適切に器具を用いることが非常に重要なのだと感じています。
私ども横浜駅きた西口歯科ではこれらの情報を全員で共有することでより充実した体制を目指してまいります。
横浜駅きた西口歯科
清水勇策